森田信吾
ハリウッドがつくりあげた最大のスター、マリリン・モンロー。彼女の名はみな知っているけれど、彼女が何者であったのか、誰も知らない――。 マリリン・モンロー、本名ノーマ・ジーン。彼女の幼少期は、父親不明、祖母と母が精神病院に入院、里親を転々とし孤児院に預けられるなど、身寄りのない孤独なものだったが、兵器工場で働いていた時分に、偶然撮られた写真が、後にハリウッド大スターとなる彼女のキャリアをスタートさせることとなる。雑誌のカバーガールから始まり、風でスカートをわざとめくり上げるあまりにも有名なワンシーンをもつ映画、「七年目の浮気」で“セックス・シンボル”としての地位を確かにさせた以降も、マリリン・モンローの人気はうなぎ上りの一方であった。しかし、世界に名を轟かすほどの大人気の一方で、モンローは、「頭が空っぽのグラマー女優」という世間のレッテルに反発、ハリウッドを飛び出してニューヨークへと渡る。演劇学校で一年にわたる猛勉強の末、“マリリンはついに女優となった”との評価を受ける「バス停留所」などの作品に出演するも、相変わらずアカデミー賞からはことごとく無視をされ、さらに追い打ちをかけるように、彼女を襲う、流産、離婚という悲劇。世界のモンローという耐えざるプレッシャーと孤独は彼女の心を蝕み……後世に残る偉業を成し遂げながらも、不遇の人生を送った“栄光なき”天才たち。彼らの人生は、如何なるものだったのだろうか――森田信吾による異色の偉人伝!